独眼流亮孔明の独日おもしろ異文化論 第1回

ドイツで暮らしていると、雨の日でも傘をさす人をほとんど見かけません。小雨どころか、それなりに強い雨でも、フードをかぶるくらいで、平然と歩いている人が多いのです。
理由を考えていくと、大きく二つあるように思います。
ひとつは、住環境の問題です。多少濡れて帰っても、室内がかなり乾燥しているため、ちょっと置いておけば自然に乾いてしまいます。日本のようにジメジメと湿気がこもる感覚が、そもそもあまりないのです。だから「濡れたら困る」という発想になりにくい。
もうひとつは、もう少し本能的な理由です。ドイツ人はもともと森で狩りをして暮らしてきた狩猟民族で、動物や自然をよく観察する感覚を今も持っています。「動物は雨に濡れても平気で生きている。人間も動物なのだから、多少濡れたところで風邪をひくわけではない」という、ごく素朴な感覚が根っこにあるように感じます。
一方の日本は、高温多湿で四季を通じて雨が多く、濡れたままでは不快でカビや体調の問題にもつながりやすい風土です。コンビニでもどこでも傘が買え、折りたたみ傘を持ち歩くのが当たり前――というくらい、傘は生活に組み込まれています。
同じ「雨に濡れる」という現象に対して、片方は室内の乾いた空気に頼り、片方は道具(傘)で対処する。気候と住環境の違いが、こんな身近な習慣にまで表れているのが、私にはとても興味深く映ります。
よろしければ、FacebookやLINEでこの記事をご紹介ください。
この記事はいかがでしたか?